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鴇と葵(ときとあおい)5 グレーな学校帰り

中間テストでいつもより早く下校。
帰ったら一夜漬けの試験勉強にいそしまなければならないある日、葵と鴇が二人並んで帰っていた。
テストも佳境に入ってゆくごとに、生徒はみんな目の下にクマを作っていく。
脳みその限界を超えて記憶力をフルに回転するだけに、だいたい口数も減っていつもより暗かった。

「テストなんてさあ、俺たち学生の最大のストレスだって、わかってやってるのかなあ。大人ってさ。」

葵が口をとがらせてつぶやく。
どうも今日の物理の試験は、最悪悪かったらしい。

「まあ、先生の嫌がらせもあると思うな。俺は。」
「だよな!だよな!だって物理の最後の問題なんて、俺習ってないと思うんだぜ。」

ん?

「最後の問題ってつい先日習ったばかりじゃなかったっけ?」
「え?いつ?え?俺、寝てた??」
「だろうな。お前が物理の時に、起きてるの見た事ねえ。」

はあああ〜〜〜

大きなため息ついて、そして気を取り直しぐっと拳を握りしめる。
葵には、しかし2アウト逆転満塁ホームランを狙える一つの勝機があった。

「でも明日は英語のテストだろ!ウフフフフフ……
俺って最近通信教育受けてるんだぜ!もういつの日かペラペラだぜよ!」

「え?へえ、お前英語は壊滅的じゃなかったっけ?」

ちっちっち、得意げに指をワイパーみたいに動かした。

「遅れてるなあ、鴇クン。
ほら!CD聞いてるうちに、いつの間にかペラペラに!って奴。
あれを聞いて寝てるから、俺の頭の中では外人がべらべら四六時中なんかしゃべってるんだぜ!
これで英語はばっちりさ!」

自信満々の葵に、突っ込みたくなる言葉を飲み込む。
今度は鴇が顔を背け、大きなため息をひっそりついた。

それは聞いていると言うだけで、ちっとも意味が頭に入ってないって事なんだろうけど。
まあ葵のお母さんも、息子の将来のために金をかけ始めたんだろう。
何も言うまい。

「数学の方程式もだいたい覚えてるし、明日はばっちりだぜ!
あとは帰っておさらいをすればいいし、今夜のアニメの映画は見ても大丈夫だよね!」

葵が子犬のような瞳で同意を求めてくる。
アニメってえと、ドラえもんか……
つか、俺に聞かれても困るんだけど。

「まあ、お前が大丈夫って思えるんだったら見てもいいんじゃね?
俺は保証しないけどさ。」

「やったあ!」

バンザイしたとき、いきなり目の前にコートを着たおじさんが立ちふさがった。

「へ?」
にいっとおじさんが黄色い歯を見せる。

バッ!

そしていきなり何を思ったか、突然コートを広げた。
なんとコートの下は素っ裸で、大きなおちんちんが………………省略。

口をあんぐり、葵と鴇が呆然と立ち尽くす。

「ひょひょひょひょ…………」

おじさんは二人の様子に満足したか、走って逃げた。





「葵」

「な、な、な、な、なにあれ??」

「さあ…………」
普通女学生対象なんだろうけど、変態中の変態なんだろうか。
こんなレアものは遠慮したい。

「なあなあなあ!じじいなのに、でっかいの見た?」
「いや!もう忘れたいし。俺は記憶の消去に専念したい。」

「ああああああっっ!」

突如鞄を落とし、葵が頭を抱えた。

「頭が真っ白になってる!って言うか、方程式消えてちんちんしか残ってねえ!」

やめろ!

あああああ、俺はあのじじいを訴えたい。
テスト中に、何というシモネタ。
せめておばちゃんなら…………
いや、それもやめてくれ。

立ち尽くす真っ白な葵を引っ張り、鴇が家路を急ぐ。
その夜は映画どころではなく、徹夜で英語と数学をがんばったが、知識は容易に耳からあふれ、二人とも結局さんざんな結果に終わった。

ちなみにそのおじさんは何故か男子生徒専門の変わった変態で、たいそうな数の被害者を出した後も、未だつかまっていないらしい。





1年と、4ヶ月ぶりの鴇と葵です。
いきなりシモネタですいません。w
鴇と葵は色々考えて書くと言うより、ポッと浮かんで短時間でダッと書くという感じです。
久しくこいつらの存在を忘れていたので(ヲイ)、まあ永遠の中学生でがんばってもらいたいところです。

リリスはとうとう書きためてるところに追いついてしまいました。
ので、週が変わるとあわくって書いてる感じです。
それでも書き物の神様が降りてこないで書き詰まったりで、ちょっと遅れることもあります。
ふがいない書き手ですが、それでも毎日毎日拍手をありがとうございます。
ありがたいことです。
なかなか終わりが見えないリリスですが、最後までおつきあいいただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いします。

テーマ : 自作小説
ジャンル : 小説・文学

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桜が散る夜にというHPで、オリジナルの小説を書いています。

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